「アンパンマンは暴力的」にやなせたかしが反論

 

 

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「アンパンマンは暴力的。 ばいきんまんを「アンパンチ」でやっつけて、 あんなのは暴力で解決しているだけ」

 

そんな風に言う人がいるらしい。

 

あたしはそこんところあんまり深く考えていなかったので、

そういう見方もあるな、と逆に気づかされた。

 

そうやって批判する人ってホントにそう思ってるのかなぁ?

ただの人気に対するヒガミとか、嫌がらせのような気がする。

 

まあでも一応、この批判は実はあたしも 少しは引っかかっていた。

 

あたしはやっぱり子供が暴力と接するのは なるべく避けたいと考えている親だ。

 

今までもいくら言うことを聞かなくても 叩いてどうにかしようとしたことはない。

・・・放っておくということはあるが・・・。

 

 

まあその辺の良し悪しは今回は置いておくとして(苦笑)、

やなせたかしはやっぱり古い人だし、 しつけには多少の暴力はアリ、と思っている人だったかも知れない。

 

でもアンパンマンの哲学は、 やなせたかしの 戦争体験が元になっているはず・・・。

 

アンパンマンが「アンチ戦争」なのに、 「アンパンチ」で解決とは、矛盾だし偽善ではないのか?

 

「アンパンチという暴力を振るうアンパンマンこそ悪ではないのか」

・・・というのが「アンチアンパンマン」の意見。

 

これに対して、やなせたかしはこんな反論をしている。

 

うろ覚えだが、だいたいこんな感じだ。

 

「アンパンマンが暴力的だ、と言っている人に、俺はこう言うんだ。

 

じゃああなたは風邪を引いたとき、ばい菌を殺しちゃかわいそうだから と言ってそのままにするんですか?

風邪薬を飲みますよね。

 

薬を飲むということは、ばい菌に対してアンパンチを喰らわせているのと 同じなんです。

かと言って、治ったらもう風邪を引かないかと言えば、また引くんですね。

 

アンパンマンとばいきんまんの闘いはそうやってずっと続いていく。

でもそれが健全な状態なんです。

 

国家でも、独裁国家で反対がないというのは危険な状態で、

その国はいずれ滅亡します」

 

さすが、94歳。(もう他界してしまったが)

そんじょそこらの背伸びした大人の 屁理屈のような「アンパンマン批判」じゃ敵わない。

 

要は、アンパンマンが「アンパーンチ」 と言ってばいきんまんを殴っているのは、

「風邪薬を飲む」 「国家権力に反論する」

という小市民の行動を分かりやすくしただけということだ。

 

本来は、小市民たちが自力で自分たちを守るべきなんだろうけど、

アンパンマンの世界では「困ってる人」と「助ける人」という風に、

人格を二つに分けて分かりやすくしてると考えられなくもない。

 

だとしたら、アンパンマンが使っているのは「暴力」なんだろうかね?

「防御力」?

 

適切な言葉が思いつかないけど、「暴」ではない気がする。

強い力で守られている、って安心感は悪いものではないはず。

 

ばいきんまんに止めを刺して、バイキン城を破壊すれば、

アンパンマンはもう「防御」しなくて済む。

 

だけど、アンパンマンはバイキンマンを死なない程度に吹っ飛ばして、 次に悪さするまでは戦わない。

 

現実世界も、困ったことをゼロにはできない。

風邪はなくならない。

子どもは毎日ぐずる。

夫は今日も遅い。

 

完璧な健康法も完璧な子育ても、早く帰って来られてお給料の高い完璧な職場もない。

つぶれない程度に抵抗して、次の壁にぶち当たったらまた戦う。

 

アンパンチを「暴力」って言っている人ほど、

世の中には誰もが納得する完璧な方法が存在してると勘違いし、 何とも戦っていないんじゃないかしら。

 

 

 

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