契約・派遣→正社員→個人事業主

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【契約・派遣→正社員→個人事業主】

あたしの実家の家計はかなり苦しかったので、

高校生ではバイト、 大学も中退して派遣や契約社員をしていた。

 

正社員を目指し始めたのは実は結婚してからで、

当時はまだ最終学歴は大学中退.

結婚している20代後半の女性ということで、

しかも正社員経験ゼロの転職4回目だったから、

転職エージェントからは相当冷たい目で見られていた。

 

それでも正社員を目指したのは、

「復帰できる場を確保してから子供を産みたかった」からだ。

 

でも意外なことに、特に有名ではない中小企業ではあったものの、

業績も優良な会社に正社員として転職することが出来た。

 

これは奇跡のような出来事に思えた。

旦那もびっくりしていたので、世間的にもそう言える出来事だと思う。

そして一番びっくりしていたのが転職エージェントの担当者だったが。

 

 

入社した会社の配属された部署は、女性ばっかり10名ほどの部署。

割りと居心地が良く、入社して3年も経たず妊娠したが、

ちゃんと産休・育休を取ることもできた。

 

普通に大学を卒業して新卒採用された女子なら

当たり前に思っている権利かも知れない。

だけどあたしにとっては、

こんな素晴らしい待遇を自分が受けられるなんて、奇跡だと思った。

 

ところが、無事子供を保育園に入園させ、会社に戻ってきた時である。

産休前に所属していた、まったく同じ部署のはずなのに、

あたしを待っていたのは産休に入る前とは違う、

ギスギスした雰囲気だった。

 

 

厄介なのは部署の全員ではなく、

ある一人の女性の先輩だけだったのだが、

彼女が部署の裏ボス的な存在だったため、かなり厄介なことになった。

 

基本、無視される日々。

すぐ隣でそのやり取りを聞いている他の先輩も黙ったまま。

仕事場で、しかも同じ部署で学校のいじめみたいなことをやられると、

どうやっても業務に支障が出る。

 

何故、あたしの産休前と復帰後で裏ボスの態度が違ったのかというと、

裏ボス本人の年齢がちょうど39歳から40歳にさしかかるというビミョーなお年頃で、

独身で彼氏もどうやらいないようだったからじゃないからかと思う。

 

それが悪いとは誰も思っていないが、

本人が「決まりが悪い」と思ってしまっているから仕方が無い。

 

「それってあなたが結婚して子供もいて、

それを理由に残業もせず、 嫌味な態度を取っていたんじゃないの?」

と突っ込む人もいるかも知れない。

 

確かに、裏ボスは40歳で、あたしはそれより10歳ほど若い。

嫌味な存在だったかも知れない事は否定しない。

 

仮にあたしが嫌味だったとしよう。

それが何だというのだろう?

 

はっきり言うが、

40歳にもなって独身で彼氏もいないのは、本人の問題である。

それが、良いも悪いもない。

 

裏ボス本人が、

40歳の自分の現状を「決まり悪い」と思って勝手にストレス溜めて、

それであたしへの八つ当たりが許されるのか?

まったく意味が分からない。

 

かわいそうだ、と同情でもすれば良いのだろうか。

本当に気の毒だと思っていれば同情できるが、

別に不幸でも気の毒でもないことに、同情しようと思ってもできない。

見下してもいいんなら話は別だが。

 

それよりも仕事が進まないのには参った。

裏ボスと周囲の取り巻きの有様は、

大学の「組織論」の授業で習った

ホーソン実験で暴き出された非公式組織そのものだった。

 

100年前の単純作業の工場現場で分かった、工員達の人間関係。

工場現場ではインフォーマル組織が存在し、

裏ボスの存在が確認される。

実験による外部の目がきっかけとなり、工員達の作業効率は改善される。

 

100年も前に、欧米のどこかの国で提起された問題が、

21世紀も10年を過ぎた現代日本では、

外部の誰の目にも留まることなく放置されている。

 

小学生の頃のように空気を読まずに過ごせたならよかったのだが、

部署の全員とコミュニケーションが取れないと進まない類の仕事をしていたこともあり、

何とか解決しようとあたしは上司に相談した。

 

結論から言うと、ムダだった。

結局、裏ボスに強く注意できないらしく、

「困った子よね」と上から目線を保ちつつも、

結局はビビって何もしないタイプの上司だった。

 

このときばかりは思った。

「確かに、仕事は何をやるかじゃなく、誰とやるかが大事なのかも」と。

 

これが噂に聞いていたマタハラか?

上司への相談も無意味だったし、

労働監督基準署へ相談することを真剣に検討していた。

 

何もしない会社へのせめてもの反抗として、

会社のパソコンで ネット検索してやったりもした。

 

そんな時、である。

まさかこのタイミングで、

あたしの身内から 「一緒に仕事をしないか」という誘いを受ける。

 

その仕事ならネットさえ繋がっていればできる仕事だったので、

在宅勤務という夢にまで見た働き方ができる、

魅力的なオファーだった。

 

社員として雇用されるわけではなく、個人事業主となる。

収入は固定給で受け取る形だが、ボーナスはなし。

正社員ではない不安定さに加え、収入も半減である。

 

でもあたしは結局、 初めて正社員として就職できた会社を退職した。

 

結局正社員になったのも、待遇の面で魅力的なのもあったが、

「正社員になったことがない」というコンプレックスを

解消するためだったところもある。

 

あたしでも正社員になれたということが一度分かれば、

もう満足してしまっていた。

 

居心地の悪い環境に身を置いて、

精神をすり減らしてまでしがみつきたくなかった。

 

 

そんな訳であたしは個人事業主として今は働いている。

 

個人事業主は、社長とも代表とも名乗ることができるが、

そんなこっぱずかしいことはやっていない。

 

何のことはない、結局は身内のパシリなので。

 

この気楽さと不安が同居した働き方は

まだ始まったばっかりである。

 

始まったばかりなのに既に結構色々失敗もしていて、

落ち込むこともある。

 

でも、前の会社の落ち込み方は、

精神的には強くなれるかも知れないが

「ビジネスセンス」という側面から見ると

まったく成長は見込めなかった。

 

今は、もう少し前向きな仕事が出来ていると感じている。

 

同じワーキングマザーには申し訳ないとは思いつつも、

仕事の合間に家事をやらせてもらっているのも助かっている。

 

まぁ、もともと家事が苦手なうえに、

仕事優先にしてしまって あんまり会社勤めのときと

変わらなかったりするんだけど・・・。