昔は娯楽なんてなかった

昔はテレビもラジオも新聞もない。
世界で何が起こっているか、末端の民は知る由もない。

それでも昔の人は田畑を耕したり商売をしたりして、
女の人は子供を産み育てていた。

現代社会は娯楽も情報も何もかもが供給過多で、
生物としては当たり前の子育ても、
なぜか世界から孤立したような苦痛に感じる。

きっと苦痛に感じることがおかしいんだろう。
だって子供を産むことは神秘だし、
子供を育てることは喜びのはず。

きっと文明を取り去らないと、
素晴らしいはずの営みは無駄に苦痛に感じる。

いまさら後戻りできなさそうな現代社会。
やれ少子化を止めろ、子育てを支援しろ、と。
そんな風に攻撃的にならなくちゃいけないかね、女の人は。

お腹がすけば飛んでくるヒーローや、
嫌なことがあっても笑顔でいようと呼びかける美少女戦士たち。
そんなきれいごとで生きていけるか!と叫びたくなるけど、
無邪気に笑う子供には、本音を隠してしまう。

それどころか、きれいごとが本音になってほしいとまで願ってしまう。

世界で何が起こっているか、知る由もない頃の民だったらよかったのにね。