アンパンマン苦行は妊娠中から始まる

 

Jpeg

 

「アンパンマン苦行」への伏線は、恐るべきことに出産前に張られているのである。

 

「子供が産まれても、家がアンパンマンだらけになるのは嫌」と

あたしは夫にもはっきり言っていた。

 

それなのに、 絵本やプラスチックのおもちゃ、靴下・・・

アンパンマンが刻まれた子供グッズが次々と家に運び込まれる。

妊娠が安定期に入り、親戚への報告を済ませた矢先のことだ。

主にうちの夫の実家方面からの「お下がり」である。

 

 

義理のお姉さんには、

ちょうどアンパンマンを卒業する年齢の子供がいた。

 

弟のヨメであるあたしが妊娠したと聞いて、

アンパンマングッズが回って来ない訳がない。

 

今なら分かる。

義理のお姉さんのすがすがしい気持ちが。

 

きっと、

「ああ、やっとこのダサいアンパンマングッズから開放されるんだわ!」

と思っていたんじゃないだろうか、勝手な想像だが。

 

誇張ではなく、

並べれば部屋の半分が埋まるくらいの大量のグッズを貰った。

 

しかも義理のお姉さんだけじゃなく、

義母(つまり旦那の実家)のところにも

なぜか相当数のアンパンマングッズが眠っていて、

それも全て回ってくる。

 

お姉さんの息子さんは本当にアンパンマンが大好きで、

おばあちゃんとしては遊びに来た時のために、

ファミレスでもらえるくだらないおまけのおもちゃとか、

5、6千円とそこそこ値段のするおもちゃまで、

かなりたくさんストックしていたらしい。

 

うちの夫は自分の母親にもお姉さんにも

強くモノが言えない草食タイプだ。

 

あたしが嫌がっているのに何も言わずにそのまま貰ってくる。

 

「なんでもらってくるの?」と問い詰めても、

「だって嫌とは言えないじゃん」という答えが返ってくる。

 

この頃のあたしはかなりとげとげしていた。

ろくにありがとうも言っていなかったと思う。

 

今、冷静になって考えると、

アンパンマンが嫌だったのか、

夫の実家が嫌だったのか、もうよく分からない。

 

とにかくあの頃は、

夫のマザコン・シスコンっぷりへの嫌悪感と、

アンパンマンへの嫌悪感は上手い具合にかけあわさって、

あたしはイジメとしか思えなくなっていた。

 

玄関からどんどん運びこまれてくるアンパンマンのだっさいおもちゃの数々・・・。

 

これは相当用意周到に準備しないと、あっという間に餌食になる。

日本に住んでいれば避けられない、花粉症のようなものじゃないかと思う。

 

結局、あたしはなるべくアンパンマングッズを

目につかないところに 追いやったが、

所詮あたしも夫同様、小心者の性格である。

 

義理実家からの頂き物を、

燃えないゴミとして捨てるほどの度胸はなかった。

 

 

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